北京五輪のスピードスケート女子1000メートル決勝が17日、国家スピードスケート館で行われ、高木美帆(27=日体大職)が1分13秒19の五輪新記録をマークし、同種目で日本人初の金メダルを獲得。今大会5種目、7レース目にして個人初の頂点に立った。

 ゴールした瞬間、フードを取る前に両手でガッツポーズ。目に涙を浮かべ、日の丸に身を包んだ。ウイニングランでは喜びをかみしめながら、通常より高速でリンクを回った。ずっと背中を追いかけてきた平昌五輪銀メダルの小平奈緒(35=相沢病院)とも涙の抱擁。その後、表彰台に上がると涙は消え、満面の笑みで両手を突き上げた。

 冬季五輪で同一大会4つ目のメダルは日本人最高。栄冠を手にした高木は「この五輪の最初はつらいことがたくさんあって、自分の調子も上げきれないまま3000、1500に挑んだ」と振り返った上で「苦しい中での始まりだったんですけど、最後にこうやって自分の全てを出し切ることができた」と話した。

 結果以上に満足したレース内容だった。高木は「もし金メダルが取れなくても悔いがないって思えるレースができたことがすごくうれしい」と誇らしげに語り「さらに金メダルを取れたってことで、うれしさが倍増。形となって残ったと思っています」と笑顔を見せた。

 500メートルから3000メートルの種目に出場。7レース目となったことで体への負担も大きかった。「正直、もう体は限界がきていて。疲労感というより、セキが出て内臓や体の中がギリギリのところがあった。無事に走り切れてよかったと思います」。陸上で言えばマラソンと短距離の両方に出るようなもの。まさに〝鉄人〟の活躍で、最高の結果を手にした。

 なお、小平は1分15秒65で10位に終わった。