北京五輪で弱火が不安視されていた聖火が猛吹雪によって〝消えた〟疑惑が浮上し、大きな波紋を呼んでいる。

 米紙「USAトゥデー」が五輪開催中の北京で大雪が降った影響で「聖火が消えた」と報道した。同紙は「北京の吹雪によって、オリンピックの聖火が吹き飛ばされて消えたかもしれない」と指摘。火が完全に消えている様子の聖火台の写真を撮影して掲載した。

 大会期間中に聖火が消えたとなれば一大事だ。国際オリンピック委員会(IOC)の規定では、五輪の聖火はギリシャ・オリンピアにあるヘラ神殿で太陽光によって採火された炎でのみ点火できる。そのため、大会中に火を消すことは許されず、万が一の際にはギリシャから予備の炎を取り寄せなければならない。

 そうした背景もあるからか、北京五輪組織委員会は「現在の発火状態は大丈夫だ」と聖火が消えた疑惑を強く否定。「おそらく、視界が影響を受けたのだろう」と〝目の錯覚〟と主張した。USAトゥデーが聖火台を撮影したタイミングの後には再び点灯されており、。組織委員会は問題がないことを強調した。

 今大会の聖火を巡っては、開会式で聖火ランナーが持っていたトーチをそのまま聖火台に差す演出が話題となった。最小限の炎で二酸化炭素の排出を抑える〝エコ五輪〟を訴える狙いがあったが、一方で火力が弱すぎると不安を指摘する声も上がっていた。

 いま燃えている北京五輪の聖火は果たして〝本物〟なのか。物議を醸しそうだ。