
日本カーリング協会(JCA)とともにゲームソフト「みんなのカーリング」の開発に携わったイマジニア株式会社の保足直久氏によると、過去に携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」でカーリングゲームが販売されたことはあったものの「Nintendo Switch」では“唯一無二”だという。
同氏は「ゲームっぽくアレンジした」と分かりやすさを追求しつつ「選手が投げた石(ストーン)が滑る音をリンクで録音してリアリティー感を出したり、コントローラーを振ると選手がスイープをする」と“カーリングおじさん”として細部にまでこだわった。
今回の製品開発はある意味“賭け”だった。「競技が盛り上がるタイミングは五輪だ」と昨年から開発をスタート。JCAと毎週水曜日に約2時間のミーティングを実施するなど、準備を進めてきた一方、昨夏の段階で日本勢は五輪出場権を獲得できておらず、世界最終予選(昨年12月)に回ることが決まっていた。
日本勢が五輪切符を逃せば、販売への大きな影響も懸念される中「女子のロコ・ソラーレ(LS)はきっと出てくれる」との願い通り、LSは予選プレーオフで韓国を下して五輪切符を奪取した。「手に汗握る展開。スポーツを見てこんなふうになったのは初めてだった」と“首の皮一枚”でつながった。
LSが平昌五輪で銅メダルに輝き、カー娘フィーバーから約4年。競技の認知度が上がったとはいえ、競技人口が増えることはなかった。「このゲームで見るだけじゃなくて、やってみようと興味を持つための受け皿になったら」と期待を込めていたところ、発売日は偶然にもLSの初戦(対スウェーデン)が行われる2月10日となった。
運命の赤い糸でつながったLSとゲームソフトが両輪となってカーリングの魅力を伝えていく。
※ニンテンドーDS・Nintendo Switchは任天堂の商標です。
【関連記事】
- 関連タグ: