北京五輪開幕が約1か月後に迫る中、複数の国による外交ボイコット表明を受けて、ロシアが「ある条件」を提示している。

 開催国の中国はかねて新疆ウイグル自治区の少数民族に集団殺害(ジェノサイド)を行ったとして、一部の国や人権団体に問題視されてきた。さらに女子テニスの彭帥が中国の張高麗元副首相に性的関係を強要されたと告発した問題も含め、米国が最初に北京五輪の外交ボイコットを表明。すると、オーストラリア、英国、カナダもこれに続いた。

 そんな中、ロシア・タス通信によると、同国のチェルニシェンコ副首相が「ボイコットしているすべての国は国旗、国歌、その他の自国を象徴するものを剥奪されなければならない」と述べていると報じた。

 同副首相はボイコットが幅広い支持にはなっていないことを指摘。その上で「ボイコットを表明している国は自身の国のアスリートにも害を及ぼしている」と断言したという。

 ロシアのプーチン大統領はすでに五輪の出席を表明しており、先日の会見では「習近平主席と信頼関係を築いている」と語った。これには中国外務省も「習主席と大統領は真の友人だ」とコメント。両国ともに友好関係をアピールした形となった。

 このまま緊張感を保ったまま4年に一度の大舞台を迎えてしまうのか…。