スピードスケート男子500メートルの新浜立也(25=高崎健康福祉大職)が〝金メダル街道〟の最終コーナーに突入した。

 北京五輪イヤーの今季は、村上右磨(高堂建設)だけでなく、森重航(専大)と今季のW杯で初優勝を飾った松井大和(シリウス)が台頭。日本のトップを走る新浜も「日本の選手は誰が北京に行っても活躍できる」と太鼓判を押すほどの強者たちが、激しい代表争いを繰り広げた。

 そんな中で行われた北京五輪代表選考会初日(29日、長野・エムウェーブ)の男子500メートルでは、34秒52で2位に入った。氷に上がってからレースまで約20分待たされたが、すでに代表を確実にしていることから「なかなか経験することではなくて、メンタル的にキツい部分、集中力を最高に持って行くところが厳しいと感じたけど、あくまで五輪のテストになると前向きに捉えた」。ポジティブ思考で、新たな学びを得た。

 北京五輪ではライバルたちの思いも胸に、頂点を目指す。「し烈な日本の短距離界の代表として行ける。やっとスタートラインに立てた」と神妙に語った上で「結果をしっかり出すには今の課題をさらに改善して、質を高めていけば金メダルが見えてくる」。表情からは強い覚悟がにじみ出ていた。