今後はどうなるのか。競泳の世界選手権(7月24日開幕、ロシア・カザン)代表入りを逃してしまった五輪2大会連続2冠の北島康介(32=日本コカ・コーラ)に去就問題が浮上した。

 日本選手権2日目(8日、東京辰巳国際水泳場)男子100メートル平泳ぎ決勝で1分0秒18の3位。2年連続で代表入りを果たせず、レース後は「桜のように散ってしまいましたね。来年、桜を咲かせたい気持ちはあるんですけど、今はゆっくり休んで選手であり続けるべきか考えたい」と話し、現役続行か引退かを検討することを明かした。

 アスリートとしては年齢的に引退のカウントダウンに入っている。ある日本水泳連盟幹部は代表落選で「今すぐではないと思うけど、引退とイコールになってくる」との見方を示している。その一方で、来年のリオデジャネイロ五輪に向けて、5大会連続五輪出場の道も残されている。北島もレース内容について「もう少し自分にはできた」と“不完全燃焼”を示唆しており、どちらに転んでもおかしくない状況だ。

 恩師の平井伯昌ヘッドコーチ(51)は完全燃焼できなかった北島について「今やってきたことをジャパンオープン(5月22日開幕)とかでもう一度、出してもいいんじゃないかと思う。来年のことは本人とゆっくり話しますけど、せっかく練習してよくなったので。本人も出し切れない感あるから『残念だったな』と思ったら、やったほうがいいんじゃないか」と話した。

 北島は、2月中旬から米国フラッグスタッフでの高地合宿で本格的なトレーニングを積み、わずか2か月で今大会に臨んだ。平井氏は短期間で仕上げたコンディション面で、急カーブを描いた先にまだまだ上積みがあるとも見ており「海外の試合に出てもいい」ともう1つの選択肢も挙げた。

 長い間、競泳界を引っ張ってきた北島は、果たしてどんな決断を下すのか。