姉妹団体と異なる対応ぶりに各方面から不満の声が上がっている。

 中国の女子テニス選手・彭帥(35)が張高麗元副首相から性的関係を強要されたと告発して行方不明になっている問題を巡り、女子テニスツアーを統括するWTAが中国でのトーナメント開催の中止を決めた一方で、国際テニス連盟(ITF)と男子のATPツアーは同様の措置に踏み切っていない。

 そのため、英紙「デイリー・テレグラフ」は「男子テニス界は、中国での大会を中止にすることができず、選手たちの大きな反感に直面しました。ATPとITFに姉妹団体との連帯を示すように呼び掛けたが、応じなかった。ATPのアンドレア・ゴーデンツィ会長の発言は非難され、嘲笑されることもあった」と指摘した。

 同紙によると、ノア・ルービン(米国)は「弱いな」とコメント。ダスティン・ブラウン(ドイツ)は「多くの思うことがあっても実際には何も言っていない」と皮肉るなど、波紋が広がっている。

 さらに、ITFの関係者は「これは、外部から見ると、ATPとITFが根性なしのように見える。これはスポーツにとって重要な瞬間である。世界中の有力なテニスプレーヤーが、WTAを見習って、ATPとITFに圧力をかけてくれることを期待している」と語った。

 WTA側は「私たちは、彼女の状況をより明確に把握するために、選手とWTAの間でオープンな直接対話を行うことを再度求めます」との声明を発表。世界から賛辞が集まる中、果たしてATPとITFも追随することはできるのだろうか。