スピードスケート平昌五輪女子500メートル金メダルの小平奈緒(35=相沢病院)に女王の風格が漂っている。

 来冬の北京五輪イヤーの初戦となる全日本距離別選手権(22日開幕、長野・エムウエーブ)を前に、21日は会場で公式練習が行われ、500メートルを中心に調整。「今日滑った感覚では、氷とのやり取りがしっかりできているなって感覚だった。自分の中でこのくらいって数字は決めずに、氷とのやり取りでやってみて、ゴールしてどうかなっていうのを見てみたいなって思いが強い」と展望を口にした。

 無敵の女王として君臨していた4年前は「ある程度、準備が整ったような気持ちでシーズンインを迎えた」。しかし、昨季は股関節痛に苦しむなど、決して順調な道のりを歩んできたとは言い難い。それでも「今年は去年から続いて、自分の体を改善していく途中に今の自分があるという形なので、どういう結果が出るかというよりは、開幕戦でしっかり代表に選ばれてW杯で海外の選手と同じ土俵に立った時に、何を学んで、2月に自分をどう表現したいのかっていうところをどんどん詰めていきたい」と新プランは描いている。

 今大会は500メートル、1000メートル、1500メートルの3種目に出場予定。初戦となる22日の500メートルに向けて「シーズンで一番最初の公式レースっていうことで、集中して自分の今持っているものがどれくらいかを確かめたい」と意気込む〝氷上の哲学者〟の戦いがいよいよ幕を開ける。