国際オリンピック委員会(IOC)が、国際サッカー連盟(FIFA)が推進するW杯の隔年開催案に異例の懸念を表明した。

 IOCは16日にギリシャ・アテネで理事会を開催。「IOCは、FIFAがW杯を2年ごとに開催する計画に注目している。他の種目の国際競技団体や協会、選手や指導者から、FIFAの収入を増やそうとするこの計画に懸念の声が出ている」とサッカーW杯の隔年開催案に反対する声明を発表した。

 IOCは隔年開催案への反対理由として、他種目の国際大会とスケジュールが重なることへの影響や、女子サッカーの発展がおろそかになる可能性、選手への身体的負担の増加などを指摘した。

 現行制度では2大スポーツイベントである夏季五輪とW杯がともに4年周期で開催時期が2年ずれており、注目度を分散できている。しかしW杯が2年間隔の開催になると夏季五輪と日程が重なる可能性もあり、IOCとしては看過できないというわけだ。

 巨大組織のIOCによる反対表明は、W杯の隔年開催案に大きな影響を及ぼしそうだ。