ナイキのジョーダンブランド代表を務めるラリー・ミラー氏(72)の〝衝撃の告白〟が物議を醸している。

 ミラー氏は来年の初めに予定している著書の出版を前に、米メディア「スポーツイラストレイテッド」の独占インタビューに応じ、16歳のときに10代の少年を銃で殺害したことを明らかにした。

 事件が起こったのは1965年9月。13歳からギャングの一員として活動していたミラー氏は、友人が敵対するギャングとの抗争で刺殺されて報復を決意する。こうして相手グループで18歳の少年だったエドワード・ホワイトを狙ったという。

 出版予定の著書では自身が13歳から30歳までさまざまな犯罪で逮捕され、少年院や刑務所で過ごしたことなどを赤裸々につづっている。だが、殺人を犯した事実については出版前に自らのタイミングで公表したかったようだ。ミラー氏は「(公表は)私にとって本当に難しい決断だった。なぜなら40年間、この事実から逃げ続けてきたからだ。それを人々に知られないように隠してきた」と語っている。

 かつては就職活動が難航したこともあるが、キャンベルスープの応募書類に「過去5年間で逮捕、有罪判決を受けたことがあるか」との記載に安堵したことを回想するミラー氏。そこからビジネスの舞台で活躍し、今日に至る。

 一方、封印された過去は周囲の関係者にも知らされず、同社の幹部や米プロバスケットボール(NBA)の〝神様〟マイケル・ジョーダン氏、NBAの第5代コミッショナーには数か月前に伝えたという。

 このインタビューは米メディアで次々と取り上げられるなど、大きな反響を呼んでいる。

 現地のネット上では「彼は刑務所で多くの時間を費やしたようだが、殺人で有罪判決を受けて時間を費やしたか特定されていない」「彼は逮捕されなかったのか」と疑問が上がっており、ほかに「殺人に時効はない。彼は今日にも逮捕され、起訴されるべきだ」と厳しい意見も。

 さらに「4、5年前からナイキのものは買わないと決めている」「ナイキは値段が高すぎる。買ったことがない」などと同社に対するコメントも見受けられた。