スウェーデン・ファルンで開催中のノルディックスキー世界選手権で、2個のメダルを獲得したジャンプ女子の伊藤有希(20=土屋ホーム)が24日、羽田空港に凱旋帰国した。

 個人戦で初の銀メダルに輝き、師匠の“レジェンド”葛西紀明(42=同)を号泣させた伊藤は「銀メダルは取れたんですけど、泣くほどじゃないと思っていた。葛西さんが泣いているところを生で初めて見ました」と笑顔。わずか1メートルの差で金メダルを逃した悔しさのほうが大きかったという。

 混合団体では葛西と“師弟コンビ”を組み、銅メダル。個人戦のような大ジャンプはできず「チームに貢献できなかったのが残念」と反省しつつも、頬を緩ませた。

 土屋ホームに入り、葛西の指導で急成長。躍進のエネルギー源になったのが、葛西の新妻・怜奈さんが作る愛情たっぷりの野菜スープだという。

 伊藤は「葛西さんの奥さんはスープ一つでもたくさんの野菜を入れてくださる。野菜スープなんですけど同じものが出てきたことが1回もない。いつも違う感じで作ってくださって、すごくおいしいです」と感謝。

 怜奈夫人が作る野菜スープは葛西も一番好きなメニューに挙げるほど。世界選手権での快挙の裏には、葛西夫妻の温かいサポートがあった。