水泳の世界選手権(7~8月、ロシア)シンクロ競技の日本代表発表会(23日、味の素ナショナルトレーニングセンター)で、注目を集めたのが日本初の混合デュエット代表となった安部篤史(32=トゥリトネス水泳部)と足立夢実(26=国士舘シンクロク)だ。女性のものと思われていた競技で突如登場した“男子入りのシンクロ”とは、どんなものなのか?

 男子のシンクロといえば、日本では2001年に公開された映画「ウォーターボーイズ」のイメージが強烈だが、世界選手権の大舞台で演技する日が現実にやってきた。国際水泳連盟(FINA)は競技普及や注目度アップのために今大会から混合デュエットを導入。シンクロはド派手な化粧と衣装が特徴だが、男子は女子に比べ体毛が多いうえに水着も異なり、想像がつかない。「特に『男子はこうしなければいけない』という規定はない。始まったばかりなので、今後どうなっていくのか(FINAでも)まだ手探りなのでは」(花牟礼雅美コーチ)

「わき毛やすね毛を剃れ」などといった男子ならではの規則もないという。各国の“自由裁量”とあって、現時点でも海外勢がいったいどんな化粧や演技をしてくるのか、未知数だとか。

 男子は米国やフランスが強豪で、海外勢には世界で人気のエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」で活躍する選手もいるほど。かなり手ごわそうな相手となるが…日本初のシンクロ男子代表の安部は「長いシンクロの歴史のなかでみなさんが築いてきたものを壊さないためにも頑張っていきたい」と気合十分。まずは国内初披露となる「ジャパンオープン」(5月2~4日、東京辰巳国際水泳場)でインパクトを残したいところだ。