師匠・葛西“泣かせた”女子ジャンプで伊藤有希が銀 

2015年02月21日 11時00分

【スウェーデン・ファルン20日(日本時間21日)発】ノルディックスキーの世界選手権第3日、ジャンプ女子(HS100メートル、K点90メートル)で伊藤有希(20=土屋ホーム)が89メートル、93メートルを飛んで235・1点で銀メダルを獲得。今大会の日本勢メダル第1号となった。W杯個人総合2連覇の高梨沙羅(18=クラレ)は90メートル、93メートルの228・3点で4位だった。優勝はソチ五輪金メダルのカトリーナ・フォクト(23=ドイツ)。


 伊藤はまさに“女版レジェンド”だ。同郷の大先輩で尊敬してやまない葛西紀明(42)の背中を追って土屋ホームに就職。葛西のアドバイスでアプローチを修正し、ソチ五輪では7位に入った。


 今季は空中姿勢も両手を下に下げる葛西独特のモモンガスタイルに変更。助言に従い、土屋ホームに入ってから本格的に始めたウエートトレーニングの成果も実り、下半身の筋力アップに成功した。ランニング好きな葛西をまねて自らも取り入れたり、“チーム土屋”恒例のリフティングで111回を記録するなどレジェンドのDNAが骨の髄まで染み込んでいる。


 下川商高時代は勉強と練習に明け暮れ「テレビも見たことなかった。学校から帰ってきてすぐトレーニングに行って、帰ってきたらご飯食べてお風呂に入って寝るっていう生活が毎日だった」。注目度では常に高梨の陰に隠れていたが「私も世界のトップに立てるようにトレーニングしていきたい」と刺激に変えて努力を怠らなかった。


 小川孝博チーフコーチ(48)は伊藤の良さを「飛行姿勢というか、空中で落ちない。進んでいってるところ」と早くから指摘。そのまれな才能が大舞台でようやく開花した。


 この快挙に“師匠”の葛西はブログで「号泣。こんなに嬉し涙を出したのは1年振りだーーー!」と、昨年のソチ五輪で自身が団体銅メダルを獲得した時以来の感動と表現した。


 だが当の伊藤は「今はうれしいというより悔しい気持ちの方が強い。(この先に)金メダルを取るための銀メダルだったと思う」と、世界選手権では初の表彰台にも浮かれることなく、頂点を見据えていた。