東京五輪・パラリンピック組織委員会は27日、国内競技団体(NF)との協議会をオンラインで開催。9月末で退任する小谷実可子スポーツディレクター(SD)が率直な思いを口にした。

 小谷氏は室伏広治氏(現、スポーツ庁長官)の後任として、昨年10月にSDへ就任。アスリートの意見を大会運営全般に反映させるだけでなく、組織委における競技部門の対外的な情報発信の役割等も担った。 

 新型コロナウイルス禍で大会が史上初の1年延期になるなど、難しい運営を強いられ、様々な苦悩もあった。「短いようで長いような濃い日々で、延期になってからSDになった。コロナの感染拡大で大会の開催への不安などがあったり、無観客になったり、本当に想像していなかったような、前例のない、答えのない対応が続いてきた」と明かす。

 それでも、大会を成功させるべく尽力。「8年前の東日本大震災の後、アスリートたちが被災地のみなさん、子供たちに笑顔を届けられたので、スポーツの力を最も知っている国だから、素晴らしい大会ができると約束してから8年後、また別の敵が現れたが、スポーツの力を見せることができた。みなさんで諦めないで準備してきてよかった」と振り返った上で「ここまで勤め上げたらゴールだと思っていたが、逆にこれからやらないといけないことがいっぱいあるなって思っている」と決意を新たにした。

 SDの役割は今月末で終わりを迎えるが、今後もジェンダー推進平等チームの一員として組織委に関わる予定となっている。