ノルディックスキー・ジャンプの“レジェンド”葛西紀明(42=土屋ホーム)が、妹分との世界制覇を狙っている。

 葛西は28日、世界選手権(スウェーデン)などのため、羽田空港から欧州へ向け出発した。世界選手権は1989年に16歳で初めて出場して以来実に13回目の出場。初の金メダルを狙うが、なかでも葛西が楽しみにしているのが、混合団体だ。

「2年前に日本は金メダルを取ったが、私はメンバーに入れなかった。今回は選ばれるようにして、同じチームの伊藤有希とともに金メダルを取りたい」と意欲を見せた。

 伊藤は葛西が監督を務める土屋ホームの女子ジャンパー。現在20歳の若手で、ソチ五輪にも出場した。昨年末の大会で高梨沙羅(18=クラレ)を下し優勝するなど成長を続けている。日本が混合団体で優勝した2013年2月の世界選手権でも高梨とともにメンバー入りし、優勝に貢献。しかし、この時葛西はメンバーから外れていた。伊藤は葛西を目標にしている“師妹関係”。2人でチームを組める機会はめったにないだけに今回は絶好のチャンスだ。

 葛西は地元札幌で行われたW杯(24、25日)では表彰台を逃した。「世界はレベルも上がっているし、運も大事になる。札幌でのフラストレーション、悔しさをぶつけてリベンジしたい」とレジェンドはやる気十分だ。