歴史を塗り替えた。東京パラリンピック・車いすバスケットボール(5日、有明アリーナ)、男子決勝が行われ、日本は米国に60―64で敗れたものの、銀メダルを獲得した。

 前回大会王者・米国に一歩も引かない戦いを見せた。第1クオーター(Q)は藤本怜央(宮城MAX)の3点シュートなどもあり、18―18の同点で終えたが、第2Qは米国の強力攻撃陣を前に、27―32とリードを許す。第3Qは守備からリズムを作ると、鳥海連志(パラ神奈川SC)などの得点で46―45と逆転に成功したが、第4Qに再逆転を許した。

 最後まで戦い抜いた。今大会主力としてコートに立ち続けた鳥海は、前回のリオ大会にも出場。しかし、9位に沈み「そのとき僕なりにバスケにのめり込んで、打ち込んだ生活を送ったのに、なんでこんなに結果が出ないんだっていうことへの絶望があった」と一時は引退を考えたという。

 それでも、周囲の後押しもあり、地元・長崎から上京。「長崎にいるときよりもバスケにのめり込んだ生活を送っている」と一念発起。今大会でメダルを獲得するべく、すべてを車いすバスケットボールに捧げてきた。

 大会前には「障がいを持っている方や子供がパラスポーツを始めてくれるみたいなことが起こったらいいな」と語っていた鳥海。金メダルにはあと一歩届かなかったが、有言実行の活躍ぶりだった。