東京パラリンピック・カヌー競技(2日、海の森水上競技場)、女子カヤックシングル(KL1)の予選が行われ、瀬立モニカ(23=江東区カヌー協会)は、1分00秒180の2組4着で準決勝(4日)に駒を進めたが、大粒の涙を流した。

 生まれ故郷の江東区にある海の森水上競技場で実施された当レース。得意のスタートダッシュを決め「そこまでは本当に良かった」と振り返ったが、20度を下回る気温の影響もあり、中盤以降に失速。「寒さでどんどん体が動かなくなってしまった」と言葉を詰まらせた。

 中学からカヌーを始めたが、高校1年だった2013年の夏に体育の授業でケガを負い、体幹機能障がいを患った。当初は「自分に起こった出来事なのに、人ごとのような感覚を持っていた」。どん底に突き落とされながらも、母・キヌ子さんの「笑顔は副作用のない薬だよ」という言葉に救われた。そんな中、五輪・パラリンピックの自国開催が決定し「車いす(生活)になってから生きる希望だった」と今大会に向けて練習を積んできた。

 だからこそ、涙がこぼれ落ちた。「大会を開催してくれて感謝の気持ちでいっぱい」。この日は悔しい結果に終わったものの、まだ戦いは終わっていない。「しっかり勝ち切る気持ちを強く持って準決勝を戦いたい」と自らを奮い立たせた。