快挙達成だ。東京パラリンピック・ボッチャ競技(1日、有明体操競技場)、個人(BC2)決勝で杉村英孝(39=伊豆介護センター)が金メダルを獲得。ボッチャ個人種目では、日本人で初めて頂点に立った。

「今大会の最初はあまり調子がよくなかった」と振り返る杉村だが、一戦ごとに調子を上げた。決勝では2016年リオ大会王者のワッチャラポン・ウォンサ(タイ)相手に、第1エンドにいきなり2点を先制。第2エンドにも1点を追加すると、第3、第4エンドも要所で相手の球を弾き、着実に得点を重ね、勝利を引き寄せた。

 歴史に新たな1ページを刻んだ杉村は「大会を通して目の前の試合を一戦一戦戦うことを心掛けた。それがこういう結果につながってうれしい。ボッチャを初めて20年くらいになるが、こんなに素晴らしい舞台に立って優勝できたことに自分自身もびっくりしているが、本当にうれしい気持ちでいっぱい」と声を弾ませた。

 リオ大会では団体で銀メダルを獲得。日本中にボッチャの名を広めた。

「知名度は上がったが、そこで終わりにしてはいけないと思った。東京大会で結果を残してさらにボッチャの知名度を上げたいという気持ちでいたので、個人としてもこういう結果を残せてうれしい」と神妙に語った。

 2日からは2大会連続のメダルをかけた団体戦がスタートする。「しっかり気持ちを切り替えて、チームのメンバーと一緒に一丸となって目の前の試合を戦っていきたい」と決意を述べた。