あの人は今――。東京五輪で初採用となったスケートボードは男子ストリートの堀米雄斗(22=XFLAG)が、金メダルを獲得するなど日本勢が大活躍。選手らには大会後も注目が集まり、列島に空前のスケボーブームが到来しつつある。そんな中、大舞台に出場していないものの「主役級」のスポットライトが当たった業界関係者に思わぬ変化が起きていた。


 五輪初採用となったスケートボードは、最も注目を集めた競技の一つで男子ストリートでは堀米が初代王者に輝いた。拠点とする米国に建てた1億円とも言われる練習場付きの〝豪邸〟で実力を磨いていることも話題となり、大会後もメディアへの露出や自身のSNSがにぎわっている。

 そのほか女子ストリートの西矢椛(13=ムラサキスポーツ)と女子パークの四十住さくら(19=ベンヌ)も頂点に立った。計4種目で金メダル3つの快挙はもちろんのこと、華麗なトリックや選手同士の友情に共感を得た人も少なくない。こうして競技に魅力を感じ、ボードを購入したり、施設に足を運ぶ人が増えている。

 そんな〝ブーム〟の火付け役は選手だけではない。堀米が出場したストリートでテレビ解説を務めたプロスケートボーダーの瀬尻稜さん(24)もその一人だ。丁寧な言葉で実況するアナウンサーとの〝対比〟に注目が集まり、極めつけは「ゴン攻め」「ビッタビタ」というワードがSNSで一気に拡散。〝瀬尻節〟も注目を集める重要な要素となり、解説直後からオファーが殺到していたという。

 ところが引っ張りだこの人気者にある変化が…。当初こそ取材に応じていたが、同じような質問に困惑。スケボー関係者は「『ゴン攻め』『ビッタビタ』が独り歩きしてしまって、本人もちょっと疲れてしまったらしい」と明かす。五輪後に〝メダリスト特需〟はよくある話だが、解説者がこんな状態になるのは前代未聞だろう。

 あの有名なフレーズ以外にも「かっけえ」「ハンパねえ」「鬼ヤバい」といった言葉を使って幅広い世代に分かりやすく競技を伝えた功績は大きく、このままフェードアウトはもったいない。早期復帰〟を願いたいところだ。