フォーミュラカーレース・F1シリーズの日本グランプリ(GP)が、昨年に続いて新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。18日の大会側発表コメントに「政府が決めた」との文言があったことから、ファンらの怒りを呼んでいる。

 10月8~10日に三重県の鈴鹿サーキットで予定されていた日本GP。主催者のモビリティランドは「設定された期日までに海外関係者の日本入国が確実な状況に至らなかったため」と説明した。さらに、F1公式ホームページにある「プロモーター(モ社)と日本の当局の議論を受け、日本政府が決めた」という一文がファンの気持ちに火をつけた。

 日本政府といえば、開催中止が大勢だった世論に反し、東京五輪は「安全安心」だとして国際オリンピック委員会(IOC)の開催強行を後押し。東京パラリンピックも24日に始まる。本当にF1が政府の決定で中止となったのかは不明だが、ネット上では「やむなし」の声もある一方で、「五輪は良いけど四輪はダメなのね」「道理の通らない決定」「クソ政府」といった反応も見られる。

 鈴鹿サーキットは2022~24年の日本GP開催契約を結んでいるが、今年は特別だった。今季限りでF1から撤退するホンダにとってラストシーズン。しかもパワーユニットを供給するレッドブルがメルセデスに12ポイント差で2位につけており、30年ぶりの総合優勝が見えている。同じくユニットを供給するアルファタウリの角田裕毅は今季デビューし、鈴鹿は凱旋レースとなるはずだった。

 過去には、ともにマクラーレン・ホンダのセナとプロストによるシケイン接触(1989年)など激しいバトルが繰り広げられてきた日本GP。レッドブルのセルジオ・ペレスは「残念だ。ホンダのホームコースでレースをすることを心から願っていた」とツイッターで胸中を明かした。