ルール破りは最後まで…。東京五輪は8日夜の閉会式(国立競技場)が行われ、17日間に渡る大会は幕を閉じた。さまざまな騒動が発生した五輪だったが、中でも選手の〝ノーマスク〟は大会を通して問題視された。

 まずは23日の開会式だ。一部の選手は入場行進でマスクを外した状態で談笑。明らかな規則違反はすぐにテレビを見ていた視聴者からも指摘が入り、組織委は「確かにマスクをしていなかった方をお見受けした」と事実関係を認めた。

 処分の対象にはならなかったものの、高谷正哲スポークスパーソンは「大会に参加される皆さまはプレーブック(規則集)のルールをご理解いただいて、一人ひとりが大会の成功に寄与していただきたい」と注意喚起した。

 その後、国際オリンピック委員会(IOC)は表彰式に関する、コロナ対策のルールの一部を変更。メダリストが表彰台に立っている間は写真撮影のために最大30秒間マスクを外すことを認めた。この〝30秒ルール〟という緩和措置を後押しする声は多く、日本のメダルラッシュも手伝って厳密なマスク着用に目くじらを立てる方が無粋だとの意見も増えていった。

 しかし、最後の最後でミソをつけた。閉会式では競技から解放された選手たちによるマスク外しは目に余り、アゴマスクどころか完全にマスクをせずにはしゃぐ姿が数多く映像でとらえられ、ネットでは批判が噴出。とはいえ、閉幕なので処分や資格停止も意味をなさない。開会式以上にノーマスクが常習化され、国と地域によっては大半の選手がマスクをしないで談笑したシーンも。

 コロナ対策ルールについて、組織委は「性悪説には立たない」との見解を見せていたが、厳格なルールは「性善説」では機能しないようだ。