【東京五輪】薬物説に死亡説…大会中に頻発した「フェイクニュース」をBBCが特集

2021年08月09日 05時15分

水谷(左)と伊藤も「フェイクニュース」の標的に…
水谷(左)と伊藤も「フェイクニュース」の標的に…

 新型コロナウイルス禍で開催された東京五輪は、8日の閉会式で全日程を終えた。トップアスリートの活躍が各国メディアで連日伝えられた中、フェイクニュースの被害に遭った選手も少なくなかった。英メディア「BBC」が特集している。

 体操女子のスター選手であるシモーン・バイルス(米国)は、ADHD(多動性症候群)の薬を飲むことが許されないために、体操女子団体を棄権したとされてしまった。バイルスは過去にADHDの薬の服用を告白していたが、日本での禁止成分が入っていたため、薬を飲めなかったという誤った情報が流された。実際、日本ではADHD治療薬の一部が禁止されているが、五輪選手は特例措置が適用されている。ただ、本人も自ら2017年以降、服用をしていないと語った。

 なかには死亡説まで流された選手もいた。柔道女子のタハニ・アルカフタニ(サウジアラビア)は、イスラエル人選手に負けた後、ネット上で批判を受け、心臓発作を起こして死亡したとの情報を拡散された。アラビア語のニュースサイトでも扱われたが、本人は健康そのもので全くのウソだった。多くのアラブ系選手がイスラエル人選手との対戦を辞退する中、対戦に同意したため、攻撃の対象となってしまった。

 日本人選手が巻き込まれたこともあった。卓球の混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼(木下グループ)、伊藤美誠(スターツ)組が、中国ペアを決勝で撃破したことから、中国の標的とされた。負けた腹いせもあってか、日本人ペアが卓球台で手を拭くなど新型コロナウイルスのガイドライン違反となる行為をしたと、中国版ツイッター「微博」などで拡散してしまったが、全く問題はなかった。

 また、重量挙げで銀メダルを獲得したミラバイ・チャヌ(インド)は祝賀式典に参加したときの写真を加工され、同国のナレンドラ・モディ首相への感謝を伝える文章が添えられたが、これは本人の意図とは無関係だという。

 アスリートに対するネット上を中心とした、誹謗中傷被害の一つである偽情報拡散も深刻な問題だ。

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