新たな歴史が刻まれた。バスケットボール女子準決勝(6日、さいたまスーパーアリーナ)、日本はフランスを87―71で下し、初の決勝進出。銀メダル以上を確定させた。主将の高田真希(31=デンソー)は「本当に言葉にならないぐらいうれしい」と喜びをかみしめた。

 2016年リオ五輪では準々決勝で米国に大敗し、世界との差を痛感。17年から就任したトム・ホーバス監督は、個々の能力アップはもちろん、徹底した組織力の向上を目指した。その指導は常に高水準を求めるもので、若手選手たちは悪戦苦闘。10年以上代表で活躍し、主将を務める高田もチームをまとめるのに苦労していたという。 
 中学時代の恩師で高田の地元・豊橋バスケットボール協会の河野直会長は「若いメンバーが多いので、監督の難しい指示を吸収させるのが大変だと言っていた」と明かす。ただ「本人は国際試合を多く経験しているので(監督の指示の)必要性や要求されることも理解はしている。自分がやらないといけないというようなことは感じていた」と必死に鼓舞し続けた。

 そんな高田も、最初からリーダーシップを兼ね備えていたわけではない。河野会長は「中学の時はみんなを引っ張るというよりも、どっちかというと口数が少なく、ニコニコと笑って周りの話を聞くような感じだった」と振り返る。それでも「デンソーに行って主将をやるようになって、だんだんとインタビューとかも上手になってきたし、堂々とするようになって良かった。本当に成長したなと思う」と成長に目を細めた。

 地道に努力を重ねて大黒柱となった高田は決勝の米国戦(8日)に向けて「そう簡単には勝てないと思うが、自分たちはしっかりチーム全員で戦えることが強み。コートで倒れるぐらい走り回りたい」ときっぱり。さらなる高みへ、最後まで全員バスケで戦い抜く。