東京五輪のスポーツクライミング女子複合決勝が6日、青海アーバンスポーツパークで行われ、野中生萌(24=XFLAG)が銀メダル、野口啓代(32=TEAM au)が銅メダルとなり、日本人が揃って表彰台に立った。

 今回の五輪から採用された新種目。野中はスピード、ボルダリングを終えた時点で全体3位につけ、最終種目のリードで銀メダルを確定させた。一方、今大会で引退を決めている野口もメダル圏内を堅守し、ラストステージで銅メダルを獲得して有終の美を飾った。

 都市型スポーツと言われる同競技。長らく野口が牽引してきたが、今回会で野中が一つ上回ったことに意味がある。以前、野口は引退をかけた東京五輪への思いについて「まずクライミングが五輪競技になるなんて思っていなかった。それに自分が出られることになり、実際に2020年を迎えたら延期になって…。いい意味でドラマチックで、なかなか辞めさせてくれてない」と話していた。

 人生の全てを注いできたスポーツクライミング。これからは野中が引っ張る番だが、バトンを手渡した野口は安心して「第一人者」を譲ることができるだろう。