東京五輪の自転車競技トラック種目は静岡県伊豆市の伊豆ベロドロームで6日、女子スプリントを行った。

 小林優香(27=JPCA福岡)は2012年7月に始まったガールズケイリンの3期(106期)として2014年5月にデビュー。破格の進撃を続け、〝絶対女王〟として君臨してきた。

 ガールズケイリンでの活躍とともに競輪選手養成所(当時、競輪学校)時代からナショナルチームに抜てきされ、東京五輪のために、ケイリンで金メダルを獲得するために、努力を重ねてきた。

 予選のハロン(200メートルタイムトライアル)で10秒711と自身の持つ10秒712を更新、日本新記録を樹立したが、2回戦の敗者復活戦でアナスタシア・ボイノワ(ROC)に敗れ、敗退。小林の東京五輪は終わった。

 昨年、東京五輪の延期が決まった後、重篤な精神的なダメージを被り、その肉体は自身の意志、金メダルへの思いに反して動かなくなった。練習に参加できない日々もあったが、ブノワ・ベトゥコーチらの支えもあり、もう一度気持ちを奮い立たせ、この東京五輪に挑んでいた。

 ケイリン、スプリントともに結果を残せず「5年を費やしこの舞台のためにやってきた。少しでも長く勝ち残り、走れる喜びを感じたいと思っていた。(五輪後の)先のことは考えていない」。失意の敗戦となってしまったが、小林が切り開いた道は2024年パリ五輪につながる大きな一歩となった。