全く懲りていないようだ。韓国紙「中央日報」が社説で〝不適切放送〟が相次ぐ同国の全国ネット局「MBC」を問題視した。

 東京五輪ですっかり有名となったのがMBCだ。7月23日の開会式の中継では、ウクライナの説明としてチェルノブイリ原発事故の画像を使用し、マーシャル諸島には「米国の元核実験場」、ハイチは「大統領の暗殺で政情が不安定」と説明し大炎上。公式ホームページで謝罪文を出すまでに追い込まれた。

 ところが反省の色は見られず、同25日に行われたサッカー男子1次リーグB組の韓国―ルーマニア戦中には、MFマリウス・マリンのオウンゴールで韓国が先制した時に「ありがとう、マリン」の文字を流して再び批判が殺到した。

 同31日の女子バレーボール予選で韓国が日本に勝利を収めた試合でも同様のトラブルがあった。MBCのユーチューブチャンネル「Mビッグニュース」で「国民に希望を与えたが」と聞かれた金軟景(キム・ヨンギョン)が「ありがとうございます。とても満たされた気持ちです」と答えた場面で、質問部分のテロップを「サッカー、野球は負けてバレーボールだけ勝ったが」としたという。まるで他競技を皮肉った印象を与える〝情報操作〟をしたとされる。

 さらには柔道男子73キロ級で安昌林(アン・チャンリム)が銅メダルを獲得した瞬間、キャスターは「われわれが望んでいた色のメダルではないが…」と発言。韓国内でも怒りの声が上がるなど、この手の問題が続出している。

 中央日報では「MBCの相次ぐ失態は、勝利や結果だけを前面に出すスポーツ報道の旧習から抜け出すことができていないためだ。五輪を国家間の競争としてみようとする古い国枠主義もまだ残っている」と指摘した上で「今回の論争をスポーツ報道、さらには韓国社会がもう一段階成熟する転換点とするべきだ」と提言している。

 問題を起こすたびに謝罪に追い込まれているMBCだが、この様子ではまだまだやらかしそうだが…。