東京五輪のバドミントン混合ダブルス3位決定戦(30日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)で渡辺勇大(24)、東野有紗(24=ともに日本ユニシス)が香港の鄧俊文、謝影雪組を2―0(21―17、23―21)で下し、同競技の日本勢初の表彰台となる銅メダルを獲得した。

 富岡第一中(福島県)からペアを組む1学年違いの先輩(東野)と後輩(渡辺)。2人が高校卒業後に別の道を歩むことになった時に東野は「ユウタ君じゃないとダメ」とぺア存続を熱望し、今に至る。試合後、渡辺は「この年齢で10年目って世界を見ても少ない」と言い、お互いに「パートナーで良かった」とたたえ合った。

 呼び方は「ユウタ君」と「東野先輩」。だが、ひとたびコートを離れると渡辺は「ヒガッシー」と口にする。歓喜の直後、2人はどちらからともなく抱き合った。卓球の混合ダブルス金メダル獲得時も同じ光景だったが、あの時と違うのは東野が体をよけなかったこと。前日の敗戦で失意のどん底に落とされた2人は、抱擁しながら「絆」を確かめ合った。

「本当にユウタ君と組んできて良かったと思うし、ユウタ君がパートナーでい続けてくれて良かった」

「先輩だから僕をコントロールできたと思うし、先輩だから一緒にやってこれた」

 互いに向けた勝利直後の言葉が、全てを物語っている。