東京五輪のソフトボール決勝(27日、横浜スタジアム)が行われ、日本が米国に2―0で勝利し、2008年北京五輪以来、3大会ぶりの金メダルを獲得した。

 試合が動いたのは4回だった。日本は〝二刀流〟の5番・藤田倭投手(ビックカメラ高崎)が中前打で出塁すると、二死一、三塁のチャンスで9番・渥美万奈(トヨタ自動車)の二塁内野安打で先制に成功した。さらに、5回にも二死から4番・山本優(ビックカメラ高崎)が中前安打で出塁。パスボールで二塁に進むと、5番・藤田の右前適時打でリードを2点に広げた。

 援護を受けた先発の上野由岐子投手(ビックカメラ高崎)は5回まで1安打無失点の好投を見せる。6回、先頭打者に左前安打を浴びたところで、チーム最年少左腕・後藤希友(トヨタ自動車)にスイッチ。一死から中前安打を許し、ピンチを招いたが次打者の三塁手山本の左腕を強襲した当たりを遊撃・渥美がダイレクトキャッチ。そのまま二塁に転送する奇跡のダブルプレーで切り抜けた。

 7回は再び上野がマウンドに上がって米国の攻撃を3人で仕留めた。金メダルに輝き、喜びを爆発させる一方で、その後は涙ぐむ場面も見られた。エースは「感無量です。リリーフの後藤が顔面蒼白で投げていて逆に自分が奮い立って(7回は)気持ちを強く持って投げられた」。2024年パリ五輪は再び種目から除外されるが、今回も除外を経て13年ぶりの金メダル。「最後まであきらめなければ、夢はかなうことは伝えられた」と語った。