東京五輪・パラリンピック組織委員会は、ノーマスクなど新型コロナウイルス感染予防の規則集「プレーブック」違反が相次いでいるにもかかわらず、具体的な処分に消極的な姿勢のままだ。

 23日の開会式ではノーマスク選手が散見され、組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「大会に参加される皆さまは、プレーブック記載のルールをご理解いただいて、一人ひとりが大会の成功に寄与していただきたい」と呼びかけたが、開幕後の競技会場でもノーマスクで叫ぶ選手、関係者が見受けられるのが現状だ。

 そのため組織委と国際オリンピック委員会(IOC)は25日の会見で改めて注意喚起。高谷氏は「厳しくメッセージをお伝えしなければならない」。IOCのマーク・アダムス広報部長は「ルールが緩和されたわけではない。ルールを守る必要がある」と強調した。

 規則違反の場合は参加資格のはく奪などの処分となるが、現段階ではそこまでに踏み込むつもりはないという。このままではマスク着用や最小限に抑えるはずの人と人の接触が守られなくなる可能性は十分。

 IOCのクリストフ・デュビ五輪統括部長は24日の会見で「露骨な行動があれば、処分をする。まず注意喚起を徹底し、マスク着用を求めていく」と語ったが、〝無法地帯〟になってからでは遅いだけに、厳しい対応が求められそうだ。