【東京五輪】引退も考えたテコンドー女子・山田美諭が躍動「好きだっていう思いが原動力」

2021年07月25日 01時26分

山田美諭(左)はメダルまであと一歩だった(ロイター)

 あと一歩届かなかった。東京五輪のテコンドー女子49キロ級3位決定戦(24日、千葉・幕張メッセ)が行われ、山田美諭(27=城北信用金庫)は、ティヤナ・ボグダノヴィッチ(セルビア)に6―20で敗戦。2000年シドニー五輪女子67キロ級銅メダルの岡本依子氏以来、日本人2人目のメダル獲得とはならなかった。

 制服姿で仕事もこなすバリバリの銀行員が大舞台で躍動した。2016年リオデジャネイロ五輪の選考会では、右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、夢が断たれた山田。復帰後も思うような結果を残せない時期もあり、引退を考えたこともあったという。

 それでも、現役を続けたのにはワケがある。山田と親しい関係者は「テコンドーが好きなんだっていう思いが原動力だったみたい。ケガをして練習ができなかったときに苦しい思いとかをたくさんしたとは思うけど、そのあとテコンドーができるってことに本人がすごく喜びを感じていた」と振り返る。

 ケガをする前には、なかなか自信を持つことができなかったというが、大きな壁を乗り越え、一回りも二回りも成長。同関係者は「海外の試合でも結果を残せるようになって、自分に自信を持てるようになった。本人の中で前からメダルを取ることが夢とは言っていたが、当時はいまいち現実味がなかった。でも、精神的、技術的に成長して海外の試合とかで勝てるようになって、自分に自信がついた」と明かす。

 この日は、以前のような弱気な山田は見られなかった。準決勝、3位決定戦は大差を付けられたが、海外勢相手にも最後まで攻め抜いた。

 かねて「金メダルを獲得することが目標」と語っていた山田。「恩返しをしたかった」と大粒の涙を流したが、どん底からの復活劇はテコンドー界の歴史に深く刻まれた。

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