東京五輪の競技が始まった21日、女子サッカーの英国代表など複数チームが人種差別に抗議する意思を示すヒザつきパフォーマンスを実施し、韓国メディアが敏感に反応した。

 ヒザつきパフォーマンスは、昨年米国で起きた白人警察官による黒人暴行死事件をきっかけに広がったブラック・ライブズ・マター(BLM)運動に追随する意味が込められている。

 これまでの五輪では政治、宗教、差別などに関するパフォーマンスは一切認められていなかったが、国際オリンピック委員会(IOC)は東京五輪において政治的表現を一部認める方針にかじを切った。

 そうした決定をもとに、英国―チリ戦で両チームの選手たちが国歌斉唱を終えた後に芝に片ヒザをつくパフォーマンスを行った。これに関しては賛否両論がある中、この動きに早速〝食いついた〟のが韓国メディアだ。

「ニューシス」は「英国女子サッカーチームが試合前にヒザつきパフォーマンスを繰り広げた」と報じたのだが、続けて「相手チームの邪魔を与えない程度ならば試合前のジェスチャーは可能だ」と政治的パフォーマンスの〝解禁〟に重点を置いて報道した。

 さらに「ニュース1」も「相手選手に妨害を与えないレベルでならパフォーマンスが可能になった」と相次いで報じた。

 韓国は2012年ロンドン五輪のサッカー男子3位決定戦で竹島の領有権を主張する〝独島パフォーマンス〟を敢行。また今大会を前に、東京五輪に臨む韓国代表MFキム・ドンヒョン(江原FC)が太極旗パフォーマンスを予告しており、不穏なムードが漂っている。

 韓国メディアが政治的パフォーマンスの解禁を強調したのは、何かの前触れなのか。