【ソフトボール】他競技のコーチが衝撃受けたエース・上野由岐子の深夜ラン「一流は違う」

2021年07月21日 17時34分

13年ぶりの大舞台で先発した上野由岐子
13年ぶりの大舞台で先発した上野由岐子

 これぞエースの投球だ。東京五輪の全競技に先駆けて女子ソフトボールがスタート。21日、福島・あづま球場での開幕戦に登場した日本代表は、オーストラリア代表に8―1でコールド勝ちを収めた。13年ぶりの大舞台で先発した上野由岐子投手(38=ビックカメラ高崎)は、4回3分の1を1失点にまとめ、悲願の金メダルへ順調な滑りだしを見せた。

 さすがの修正能力だった。初回、先頭打者に内野安打を許すと、制球を乱し、3つの四死球で先制点を献上する苦しい立ち上がりとなった。それでも、2回以降は「丁寧に入り過ぎて、厳しく投げ過ぎた」と投球内容を修正し「データだけにとらわれることなく、自分がバッターを見て、感じるままに勝負するピッチングができた」とストレートと緩い変化球で打者を巧みに翻弄。短期間で己の投球を取り戻した。

 上野を20年以上指導してきた宇津木麗華監督も「上野がいて自分たちは初めて優勝っていう夢がかなう」と話すほどの信頼ぶり。〝絶対的エース〟へ上り詰めるまでには、周囲の想像を超えるような努力を重ねてきた。

 実際に、ある競技の日本代表コーチは、2014年アジア大会(韓国・仁川)で見た上野の行動に衝撃を受けたという。「私の教え子が負けた悔しさで寝られなかったとき、夜中の3時か4時に選手村付近を走っていたら、同じように走っている人がいた。誰かと思ったら上野さんだった。やっぱり一流の選手は違うな、すごいなと思った」

 アジア大会当時、上野はすでに32歳。決して若いとは言えないが、他競技の日本代表コーチも舌を巻くほどのストイックさ。もちろんソフトボール界からも「やっぱり上野の力はすごい」との声が多く聞かれる。

 08年北京五輪では〝伝説の413球〟で日本代表を金メダルに導くなど、長年大黒柱として活躍してきた上野だが、年齢的に今大会が最後の五輪となる可能性が高い。

「悔いのないように、これまで積み重ねてきたソフトボール人生をしっかりとぶつけたい」

 泣いても笑っても残された時間はわずか。集大成の場で新たな歴史を刻む覚悟はできている。

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