東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が25日、都内で定例会見を行い、宮内庁・西村泰彦長官(65)の天皇陛下に関する発言について慎重な姿勢を取った。

 西村長官は24日に「陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変心配されている」とした上で「開催が感染拡大につながらないか、懸念されていると拝察している」と発言。主観を表す「拝察」という言葉がクローズアップされ、政治利用との批判も出てるなど物議を醸していた。

 この発言の受け止めを問われた橋本会長は「東京大会につきましては開催にあたって引き続き都民の皆様、そして国民の皆様の不安の払拭に努めて、より安全で安心な大会開催の実現に向けて、より一層の尽力をしていかなければいけないと思っております」と慎重なコメント。

 さらに、西村長官の発言について菅義偉首相(72)が「長官本人の見解」と話したことを受けて「橋本会長も同様の見解か?」と質問されると「組織委員会しましては、あくまでも都民・国民の皆様の命、健康を守っていくことを考えながら政府、東京都と一丸となっていかなければいけません。少しでも不安があっては大会の成功とは言えません。不安を払拭するための安全対策、そのことによって安心につながっていくように努力を続けていくことに尽きます」と回答を避け、紋切り型のコメントに終始した。

 天皇陛下は東京大会の名誉総裁を務められている。