アジア大会(韓国・仁川)で競泳の冨田尚弥(25)が一眼レフカメラを盗んで略式起訴された問題で、6日に冨田とともに名古屋市内で弁明会見を開く担当の國田武二郎(くにた・ぶじろう)弁護士が4日、本紙直撃に韓国の陰謀説を唱えた。韓国警察が犯罪の証拠としている防犯カメラの映像は決定的シーンが写っていないとの主張を展開。不可解判断を連発する韓国司法界に疑問の目を向け、徹底抗戦を表明した。

 ――日本水泳連盟から2016年3月31日までの選手登録停止処分が発表された。現在の本人の様子はどうか

 國田弁護士:悶々としています。帰国直後は急性ストレス反応を示していた。通院はしてない。今は家にいます。精神的に冤罪を受ける屈辱感で不安定になっている。

 ――「自分は盗み行為はやってはいない」と訴えているが、韓国側は防犯カメラの映像を証拠としている

 國田:直接、本人が盗んだシーンは写っているか? 本人が確認させられた場面ではボヤけて写っている。盗んだ場面はなかった。

 ――日本オリンピック委員会(JOC)本部員が映像を確認している

 國田:昨日(3日)のテレビ番組でアジア大会日本選手団の青木(剛)団長がシーンを確認しているとあった。今日(4日)、青木さんの自宅に電話したら「隠しカメラの映像は一切、見ていない。報告だけ受けた」と言っている。JOCにかけてみても(犯罪の決定的シーンを見たという)裏が取れてない。日本人のどなたが確認したのか疑問。

 ――韓国側が「盗んだ場面がある」と主張してもうのみにはできないと

 國田:警察がそういう場面が「あるある」と言ってもおかしい。その場にいたことは本人も認めている。だったら(映像を)公開すればいい。(冨田に)動機はない。盗んでどうするの? 人目につく場所でしょ。まして日本代表で行っている。私の経験から言ったら考えにくい。韓国の司法制度は産経新聞(前)支局長を名誉毀損で在宅起訴したり、セウォル号の船長に殺人罪で(死刑を)求刑したり、とても日本では考えられない。(今回も)少なくとも日本に対する何か厳しい姿勢がある。冨田君はハメられたと思います。

 ――韓国に出向くなりして映像を確認する手段はとらないのか

 國田:問題は韓国が見せてくれるかどうか。普通は裁判じゃなきゃ、見せられない。冨田君と一緒に行った場合にイチャモンつけられて出国停止になったら困る。今の日本VS韓国の関係がありますから。冨田君は(前所属の)デサントからも水連からも切られている。弁護士の費用もかかる。

 ――あくまで無罪を訴えていくのか

 國田:彼は有望なスイマー。日本の世論を沸き立たせて、韓国が再捜査をやってくれることを望んでいます。