日本オリンピック委員会(JOC)の籾井圭子常務理事が10日、都内で取材に応じ、JOC経理部長の男性(52)が電車にはねられて死亡した件に言及した。

 男性は7日午前9時20分ごろ、東京・品川区の都営浅草線中延駅で普通電車にはねられ、搬送先の病院で死亡。これを一部テレビ局が実名報道したことについて「JOCとしては実名報道されたこと自体が非常に問題だという風に思っております。(テレビ局に)どういう根拠で今回実名報道至ったのかということを質問をさせていただいており、こちらとして十分に納得いく説明は得られていない」と不満をあらわにした。

 10日発売の週刊文春では「JOC経理部長“五輪裏金”と補助金不正」とのタイトルで同事案を詳報している。これを受け、ネット上や一部週刊誌の記事で「何か隠しているのでは」との声が多く聞かれているが「そういった憶測に関与していたということは一切ございません。JOC担当の記者のみなさまは(東京五輪・パラリンピック)組織委員会や招致委員会との業務の違いとかは、十分にご理解いただいているとは思いますが、何か隠しているんじゃないかという趣旨の記事は、純粋に臆測でしかありません」と否定した。

 また、文春には、籾井理事が「この件については外部に漏らさないように」と指示したと記されているが「夕方5時から行われた職員の説明会ですが、昼過ぎには実名報道はされてました。その時点でJOCの方にもご家族の方にもまったく情報が入っていない状況でありました。職員たちの不安を払拭するためにとにかく1回直接みなさんに集まっていただき、説明をしようという趣旨で設けた説明会でございます。そういう状況ですので、夕方5時の時点でいろんな情報が報道に出ておりまして、一切口止めをしても何の意味もない状況の中で、そんな指示をすると書いた記事がいかにデタラメかっていうことがお分かりいただけるんじゃないかと思います」と説明した。