東京都が東京五輪期間中に代々木公園にパブリックビューイング(PV)会場を設置する計画が、海外でも大きな話題となっている。

 都はPV会場の設置工事を開始するにあたり、準備作業として24日から代々木公園で木々の剪定を行った。この行動に対し、ロッシェル・カップ氏が「東京の自然が東京五輪によって破壊されようとしています」などと批判。オンライン上で署名活動をスタートさせた。

 この様子をドイツ紙「南ドイツ新聞」は、新型コロナウイルス禍の影響で東京五輪に反対する声も聞かれることから「東京五輪を巡る論争は止まらない」と報道した上で、カップ氏の署名活動を「アメリカ人の道徳的勇気で、集団社会の沈黙を破ったときに、東京の人々が感謝してくれることを願っている。コロナの中でも2か月後に開催される東京五輪について『人々はそれにうんざりしている』とカップ氏は感じており、彼女の今回の戦いは、五輪のパンデミック・シアターに対する拒絶の象徴である」と紹介した。

 続けてカップ氏の「私が面白いと思ったのは、ソーシャルメディアや私の友人たちは『これは第二次世界大戦のような感じだったのではないか』『政府がおかしなことをしていて、誰もがそれが理に適っていないと分かっていても、それを止める力がなかったのではないか』と話していた。政府が国民から非常に離れているという感覚がある」とのコメントを伝えた。

 現状では、国際オリンピック委員会(IOC)ジョン・コーツ副会長(71)が「緊急事態宣言下での開催? 答えはイエスだ」と語るなど、あくまで〝開催ありき〟で進んでいるのが事実。果たして国民の声が権力者の耳に届く日は来るのだろうか…。