日本オリンピック委員会(JOC)は28日、常務理事会をリモートで開催。その後、山下泰裕会長(63)が取材に応じた。

 同会長は国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が、22日の国際ホッケー連盟オンライン総会のスピーチで「我々は犠牲を払わねばならない」と発言して非難されている件を問われると「バッハさんの発言をずっと聞いてきている人だったら、大抵の人はあれが日本国民に向けた言葉でないというのは分かると思う。それが〝犠牲〟のところだけ切り取られて。あれはどうなんですか? 意図的なんですか?」と、報道の仕方を疑問視した。

 さらに山下会長は「安心安全はアスリートや関係者だけじゃない。日本国民、東京都民を守るため。だからワクチンも打つし、みんな犠牲を強いられて我慢しなければいけない。犠牲って言葉は日本国民に言っている話ではなく、来る人たち」と、バッハ会長の発言の「真意」を説明した。

 また、昨年秋にバッハ会長が来日した際に「日本に絶対、迷惑をかけない形で開催しなければいけない」と話していた件を強調した。

 なお、IOC広報が公表しているバッハ会長の全文によると、該当部分は「Everyone in the Olympic Community has to make sacrifices」(五輪関係者は皆、犠牲を払わなければなりません)となっており、「犠牲」の対象は「全ての五輪関係者」とされている。