医療現場の最前線で新型コロナウイルスと戦う医師組織が立て続けに東京五輪・パラリンピック中止を菅義偉首相らに訴えていることが、海外でも波紋を広げている。

 米「ワシントン・ポスト」は18日、「東京保険医協会が、菅首相に対し五輪中止の意見書を提出した」と報道。同紙は「アジア第2位の経済大国の医療制度が、コロナ感染拡大と戦いと、何千人もの国際的な選手、コーチ、メディアの医療ニーズの両方に対応することができないという懸念がある」と経緯を説明した。

 また、同紙は「五輪中止を求める少なくともここ数週間で2つ目の医師グループだ」と言及。13日に、すでに「全国医師ユニオン」が政府に要請書を提出し、「長崎県民主医療機関連合会」も記者会見で中止を訴えている。医師からの悲痛な訴えが続く〝異常事態〟について、同紙は「イベントの中止を求める請願書に、37万人以上の署名が集まるなど、日本で大会開催反対の意見が急激に増えていることの現れだ」と指摘した。

 このニュースはロイター通信や米「CBSスポーツ」、オーストラリア「スポーティング・ニュース」、カタール「アルジャジーラ」など世界中で報じられており「安心安全な方法で行われる」と強調する菅首相と国民の乖離が世界中で印象付けられている。