東京五輪・パラリンピック組織委員会は10日、オンラインで「ジェンダー平等及び多様性と調和に関するパートナー事例共有会」を開催し、「ジェンダー平等推進チーム」のトップを務める小谷実可子スポーツディレクター(54)が出席した。

「多様性と調和を改めて見直して、レガシーにつなげていくために、(パートナー企業から)精神事例を学ばせていただき、発信していく機会にしたい」と、女性の地位向上や多様性の実現などに向けたパートナー企業の職場での取り組みを、参考にする狙いを説明。終了後は「たくさんの学びと感動で心がウルウルな状態」と会議の有意義さを強調した。

 組織委の取り組み状況を説明する中で、アスリートへの性的ハラスメントを目的とした撮影対策にも言及。「大会ボランティアの研修資料にも対策を盛り込んだ。ボランティアは(撮影者に)直接声掛けはできないため、発見した際にどう対応していくかの方針を固めている」とボランティアを含めた会場などでの徹底強化を示した。

 また大会を契機とした多様性の社会実現を目指し、5月に出す方針としていた「東京2020宣言」の草案も発表。アスリートや競技団体などにも積極的に参加を求め「内容や発表方法は宣言する方が自由に決めていただくようにしたい。仕組みは今月中に完成する予定」。新型コロナウイルス禍の第4波到来の中で一層強まった開催反対の声の中でも、準備は確実に、着々と進められている。