バッハ会長が決して口にしない“ぼったくり算段” 東京五輪中止でも立場安泰

2021年05月08日 05時15分

“ぼったくり男爵”の本音は…(ロイター)

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)は、どんな批判にさらされても東京五輪開催へ揺るぎない姿勢を見せてきた。しかし終息気配のない新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本のみならず世界で吹き荒れる逆風は、五輪やIOCを脅かしかねないレベルに到達。緊急事態宣言の延長で17日の来日も見送りの見通しとなったが、〝貴族〟らしく保身目当ての作戦に出ているという。 

 当初、バッハ会長は17日に開催される広島県の聖火リレーに合わせ来日し、18日には菅義偉首相(72)らと面会する予定だった。しかし東京五輪組織委員会の橋本聖子会長(56)は7日の会見で「緊急事態宣言が延長される状況になった時、その期間中に来てもらうのはバッハ会長に非常に大きな負担をお掛けするのではないかと考えると、非常に難しいことだと思っている」と厳しい見通しを語った。

 バッハ会長を巡っては、米紙「ワシントン・ポスト」が「旅行中に小麦を食べつくすどこかの王族のように、ホストを台無しにする」とし「ぼったくり男爵」と指摘するなど、国内外から批判が相次いだ。6日にはIOCが五輪選手団に米製薬会社大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを提供すると発表したが、これを「特別扱い」と見る日本国民からは逆に猛反発を食らった。

 完全アウェーの中での来日は、ネット上に「空港で卵投げようかな」などと不穏な書き込みがされ、身の危険を心配されるほど。さらには「特別待遇でもされたら、もっと国民感情を逆なでする。五輪を開催してほしい選手たちにしてみたら来てもらわないほうがいい」(ある競技団体強化関係者)と〝来日見送り歓迎〟の声も出るなど、逆風は強まるばかりだ。

 すっかり悪役となったバッハ会長が、このままホスト国に望まれない形で開催を強行すれば、大炎上は必至。大会期間中に新型コロナウイルス感染者が爆発的に増加する事態が発生しようものならIOC、五輪そのものの存続論にまで発展しかねない。それでも本当に「中止」の2文字がちらついていないのだろうか。バッハ会長の本音を、IOCの事情に詳しい競技団体関係者はこう推測する。

「どんなに批判にさらされようと、IOCにとって4年に一度の五輪は重要な資金源。何があっても絶対に自分たちから『中止する』とは言えない。今は東京や日本が『できません』と言ってくるのを待っているというのが本当のところではないか」

 開催不可能と言い出した東京や日本が莫大な違約金を支払ってくれるなら、IOCの痛手は少ない。上から目線で「そう言うなら仕方がありませんね~」となる。そして来年にはIOCの金満体質と相性の良い北京五輪も迫っており、東京が中止になったとしてもバッハ会長の責任が問われるわけではないのだ。

〝貴族軍団〟は自分たちのメンツが潰れぬよう、東京のギブアップを待っている状況。「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」といったところか…。

 敏腕弁護士の顔を持つ「ぼったくり男爵」は、やはり一筋縄ではいかないクセ者。今のところ思惑通りに事は進んでいるようだ。

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