日本在住のドイツ人研究者が、東京五輪は「スーパースプレッダーイベントになる」と警鐘を鳴らした。

 米紙「ニューヨークタイムズ」は東京五輪を巡る現状について「延期された五輪の計画の多くは、経験と勘によるクオリティーだ。開会式まであと3か月足らずで、主催者は国内の観客を受け入れるかどうか、また選手以外に誰が定期的に検査を受けるのかについて詳細をまだ決定していない」と不安視する。

 そして、開催が強行された場合のリスクを指摘。「数万人の参加者が200か国以上から東京に降り立つだろう。ボランティアは、選手村や他の会場を含む〝バブル〟を出入りするときに、多くのオリンピック訪問者と接触するようになる」と世界中から多くの人々が入国することで、様々な変異株が流入して日本国内に感染が拡大する危険性を予測した。

 そうした状況を受けて同紙は、日本在住の外国人の〝生の声〟も紹介。東京に拠点を持つドイツの研究機関である「ドイツ日本研究所」の副所長を務めるバーバラ・ホルサスさんは強い警告を発した。

「バブルに出入りしなければならない人はたくさんいるが、彼らはまったく保護されておらず、検査もされない。東京五輪は〝スーパースプレッダーイベント〟になるリスクが確かにある」。

 スーパースプレッダーとは、多くの人への感染拡大の感染源となる患者のこと。東京五輪が感染大爆発の震源になるという恐怖を率直に吐露したのだ。日本で生活する外国人が上げた忖度なしの悲痛な声。東京五輪開催強行の暴走は、もはや正気の沙汰とは思えないというのが海外の本音のようだ。