今夏の東京五輪の“公式ユニホーム”に、中国新疆ウイグル自治区での過酷労働で問題視される新疆産綿の使用疑惑が持ち上がっている。

 米メディア「アクシオス」は「中国のスポーツ衣料メーカーのANTAは、新疆ウイグル自治区の綿花を引き続き使用している。ANTAは五輪の公式ユニホームサプライヤーであり、新疆綿を使用しているかどうか明言することを拒否している」と報じた。

 ANTAは国際オリンピック委員会(IOC)と2019年10月に公式スポーツウエアユニホームサプライヤー契約を締結。2022年末までの契約で、東京五輪でもIOC委員やスタッフが着用する衣服や靴、アクセサリーなどを提供する。

 同メディアによると、新疆綿の使用が問題視されて世界中の企業が対応を迫られている最近の動きの中で、ANTAは新疆綿の使用を継続しており、今後もその方針を維持する見解を表明している。

 IOC側は「東京五輪のユニホームには綿を使用していない。ANTAと緊密に協力して、商品を製造する工場の状態を監視している。適切に評価する努力を継続することを約束する」と返答して新疆綿の使用は否定したが、ANTA側は同メディアが複数回質問したにもかかわらず、いずれも回答を拒否。こうした対応やこれまでの背景から、同メディアは新疆綿の使用に疑惑の目を向けている。

 新型コロナ禍の深刻化で開催に批判の声が高まっている東京五輪。“新疆綿問題”が新たな火種になってしまうのか。