ポイント「ゼロ」でも小林可夢偉が期待されるワケ

2014年08月02日 09時00分

 不運続きのF1ドライバー・小林可夢偉(27=ケータハム)の“未来”はあるのか。今季不振の小林が帰国。7月31日に東京・日本橋でF1日本GP(10月5日決勝、鈴鹿)へ向けた会見を行った。「今年は(F1初表彰台を獲得した)2012年のときのようにはいかない厳しい状況だけど、精一杯走るので応援してください」とファンへアピールしたが、自ら述べたように、状況は非常に厳しい。

 前半11戦を終えて得たポイントはゼロ。チームも最下位の11位に沈み、先月2日にはついにオーナーがコリン・コレス氏を顧問とする新たな投資家グループにチームを売却した。後ろ盾を失った格好の小林だが、モータースポーツ・ジャーナリストの小倉茂徳氏によると、意外にも新オーナーやチームは小林に大きな期待を寄せている。

 その証拠となるのが、新チームの動向だという。売却前のチームは成績不振による活動資金難から、改良部品も投入できなくなっていた。資金難解消にもっとも手っ取り早いのは、多額の持参金を持つ若手の起用だ。しかしここ3戦、候補が多数いる中でも若手ドライバーを迎えず、むしろ現在の資金で戦えるようにと、40人あまりの従業員をリストラ。つまり小林の能力を評価し、その能力を生かすことを当面、選んだということだ。

 小林も「チームが浮上するために自分を必要としてくれていると感じている」という。日本人唯一の現役F1ドライバーを応援すべく、日本GPを開催する鈴鹿サーキットも積極策に出る。全入場者に小林応援用の小旗が配られ、決勝前に全ドライバーを紹介するドライバーズパレードでは小林だけの周回を追加するというF1史上初の特例も設ける。今後のレースにはチームだけでなく、小林自身のF1ドライバーとしての生き残りもかかる。会場全体を味方につけ起死回生の走りができるか。