“3つの頭脳”をフル活用だ! 日本ソフトボール協会は東京五輪に臨む女子日本代表選手15人を発表。エース・上野由岐子投手(38=ビックカメラ高崎)らが名を連ねた一方で、我妻悠香(26=ビックカメラ高崎)、清原奈侑(29=日立)、峰幸代(33=トヨタ自動車)と3人の捕手が選出された。

 これまでの五輪4大会は、いずれも捕手2人体制。正捕手は所属先でも上野とバッテリーを組む我妻が有力で2人体制でも支障はないものの、宇津木麗華監督(57)は「キャッチャーは第2の現場監督。3人の捕手はそれぞれ持っている能力が違う。いろんな発想を監督に出してもらったら、一番の力になる」と意図を語った。

 背景には新型コロナウイルス禍特有の事情がある。本来であれば、海外合宿や国際大会等でライバル国の情報を集めるが、昨年2月以降は海外勢と試合を行えていない。そのためチーム関係者は「監督は我妻には安定性、峰には経験値、清原に発想力を求めている」。多様な考えを集結させることで、ライバル国との対戦に備える方針だ。

 また、最大のライバル・米国の二枚看板はいずれも左投手。右打者が攻略のカギになることから同関係者は「(控え捕手2人は)打撃面でも、DP(打撃専門選手)や代打の切り札として使えるってことも想定に入れている」と説明した。異例の選考にも金メダルへ向けた周到なプランが隠されている。