陸上ハンマー投げのアテネ五輪金メダリスト室伏広治(39=ミズノ)が10月に東京医科歯科大学が新設する「スポーツサイエンス機構」の教授に就任することが16日、発表された。

 記者会見した室伏によれば、4月に体調を崩した際、同大学病院を受診したことがきっかけ。これまで母校の中京大学で准教授を務め、東京と愛知を往復する生活を続けてきたが「東京五輪組織委員会など、東京での仕事が中心となってきた。東京を拠点として活動できることが大きかった」と理由を説明した。

 今後は同機構のセンター長として、スポーツ科学と医学の融合による選手寿命の延長をテーマに、研究に取り組む。室伏は「東京五輪が決まって以来、メディアは若い選手に注目しているが、今メダルを取っている選手が6年後も活躍することがメダル増につながる。ケガで苦しんでいる選手や伸び悩んでいる選手の可能性を広げたい」。

 ロンドン五輪で銅メダルを獲得した自身をふくめたアスリートが研究対象になるという。すでに都内に練習場所も確保し「ケガがなければ、まだまだ続けていける。いつまでではなく、限界までやりたい」と明かし、6年後の東京五輪まで見据えていた。