東京五輪へ向けた協議などを行う国際オリンピック委員会(IOC)の総会が11日、リモートで開催され、日本側から大会組織委員会の橋本聖子会長(56)、武藤敏郎事務総長(77)が出席した。

 海外観客については、受け入れ断念との見方が強まっているが、橋本会長は「すでに決まったかのような報道が相次いでおりますが、先週の5者協議をへて現在も関係者で協議を続けており、結論が出たものではありません」と否定。その上で「3月25日の聖火リレースタートまでに改めて5者で協議して判断していきたい」と話した。

 早ければ来週にもIOCのトーマス・バッハ会長(67)、東京都の小池百合子知事(68)、丸川珠代五輪相(50)、国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ会長との5者会談が開かれ、海外受け入れ断念の方針を決断するとみられる。

 一方、国内の観客数上限における認識はIOCと日本側で齟齬(そご)が生じている。先日の5者会談では「4月中」で合意に至ったが、バッハ会長は前日に「遅く決断するべき。5、6月の状況も考慮する必要がある」と発言。この食い違いを追及された武藤事務総長は「私も報道で見ました。どうしてかと言われると、これはバッハ会長の言葉なので私の方からコメントするのはむしろ控えた方がいいかなと…」と困惑の表情。最後は「5者協議で4月に決めると話しましたので、認識は共有しているというのが我々の理解です」と話したが、早期決着したい日本側と判断を引き延ばしたいIOCで若干の溝が生まれているようだ。