〝ポスト森〟の本丸に橋本聖子五輪相(56)が一本化されたことを受け、組織委幹部からは「政治に利用された」との声が上がっている。

 17日、女性蔑視発言で辞任した東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の後任を選定する第2回の検討委員会が行われ、橋本氏へ就任要請する方針が決定。受諾すれば理事会の決議を経て新会長となるが、この人事を「政府の意向」とみる向きは多い。

 会合が約1時間半という早期決着だったのも疑念を呼ぶ一因だが、関係者によると、今回の人事が小池百合子都知事(68)を巡る「政局」と密接な関係にあるという。会長になるには橋本氏は大臣を辞める必要があり、そうなると元五輪相で参議院議員の丸川珠代氏(50)が後任として出戻りする可能性が大。この状況が何を意味するのか? ある政界関係者はこんな見解を語る。

「組織委会長と大臣という要職に女性2人が並べば小池氏の存在感が薄まる。これが自民党の狙いですよ。簡単に言うと〝小池潰し〟。男女同権を世界にアピールできて一石二鳥ですから」

 今回の後任選考には「透明性あるプロセス」が求められたが、やはり懐疑論は根強いようだ。