女性蔑視発言で辞任した東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の後任を選定する「検討委員会」が16日に都内で開かれ、今後の方向性について武藤敏郎事務総長(77)は「できるだけ早く決めたい」と話した。

 この日、御手洗冨士夫名誉会長(85)を座長とする同委員会は新会長にふさわしい資質を議論し、5つの基準を公表。17日に第2回を開いて候補者を絞り込み、早ければ18日、遅くても来週頭までに理事会を招集して決議する方針だ。

 検討委を開催する日時と場所は非公開。男女8人で構成するメンバーさえ明かさない徹底ぶりだ。この背景には先日の〝川淵騒動〟がある。元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)は森会長から個別に後任指名を受けて一度は受諾。これが正式決定前に公になり、世間から「密室政治」「不透明だ」と批判されて白紙となった。それだけに組織委は情報管理に神経をとがらせている。

 検討委で一本化される候補者について、武藤氏は「その人が順調に(理事会で)選ばれれば問題ないが、結果的に違う人になったときにはプライバシーというか、人権問題になる」と警鐘を鳴らす。あくまで理事会で正式決定した際に新会長の名前を公表する意向だという。

「不確定要素がなくなった時に公表するのがいいと思っています。理事会で決定されないのに公表されたら、これは万が一のことを考えたら人権問題になる恐れさえある」(武藤氏)

 なお、現段階で次期会長候補としてスピードスケート銅メダルの橋本聖子五輪相(56)、アーティスティックスイミング(シンクロ)銅メダルで組織委の小谷実可子スポーツディレクター(54)、競泳金メダルで初代スポーツ庁長官の鈴木大地氏(53)、元五輪相で参議院議員の丸川珠代氏(50)らの名前が挙がっている。また、検討委メンバーとされる日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)、スポーツ庁の室伏広治長官(46)も選出の可能性も残した。