東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の後任として浮上していた日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏(84)が12日、都内で行われた評議員会・理事会の合同懇談会に出席した。

 川淵氏は前日、女性蔑視発言で辞任を表明した森会長から後任を要請されて一度は受諾。だが、周囲から「密室会議」と問題視する声が噴出し、この日に会長候補から正式に辞退した。

 この騒動について川淵氏は、11日に自宅前で集まったメディアに就任要請をオープンにしたことを反省。「サービス精神が旺盛だからどんどん話してしまう」と悔やんだが、くしくも15年前にも同じ〝うっかり発言〟をやっている。

 2006年6月、当時の日本サッカー協会キャプテンだった川淵氏は日本代表の後任監督について「オシムが…」と口を滑らせてしまった。意図せぬままに極意情報が公になると「弱っちゃったねえ。なかったことにはならないだろうね」と焦りの表情。結局、イビチャ・オシム監督と交渉中であることが一気に広まってしまった。

 15年ぶり2度目のフライング――。人情深い川淵氏らしい一幕であった。