東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の後任として有力視されていた日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏(84)が12日、都内で行われた評議員会・理事会合同懇談会に出席した。

 森前会長から直接〝就任要請〟された川淵氏は前日11日時点では、一部メディアの取材に「人生最後の大役。ベストを尽くす」と意欲的に語っていたが、世間から「密室会議」との批判を受け、態度を翻意。この日、会合を終えた川淵氏が経緯について口を開いた。

「(組織委の)武藤さん(敏郎事務総長)から夜になって2、3回電話がかかってきた。そこで遅くまで話をして、僕はそのときに白紙撤回をいつ言うかっていう話をしていた」

 がぜん、やる気をみなぎらせていたかと思いきや、実際は前夜の時点で辞退を決意していたという。川淵氏の話は続く。

「どういう風に白旗を上げようかなっていう話をしていた。でも、武藤さんもこうした方がいいって言うのは絶対に言わないもんね。絶対言わない。だから言うような感じに誘導したのかな? でもそうでもないか」

 そう語ると、顔をしかめながら「うーん、こうやって俺がしゃべるのがよくない。サービス精神が旺盛だからどんどん話してしまう」と苦笑した。

 結果的に大騒動になってしまったことに対して反省の弁も口にした。

「(11日に)自宅前で『会長候補に森さんから指名されてどうでした?』って聞かれた時に『いや何も言われてないよ』って家に入るのが正解だった」

「すべてマスコミのみなさんが誤解するような言動をしたことに対する自分の責任ってことを感じて辞めたっていうのが一番いいんじゃないの? みんな俺が悪い」

 川淵氏は森氏と同じ“失言グセ”を悔やんだ。